a  きのこ栽培勉強会  


   開催日時      2020年 3月15(日)  

   開催場所    埼玉県熊谷市蓑輪779  橋本啓一さん宅 

   参加者     会員 13名 一日会員 8

   世話人     橋本啓一、福島隆一、村田紀彦、籾山清、栗原晴夫

   指導者     福島隆一、橋本啓一、村田紀彦  

   写真撮影    栗原晴夫、大久保彦

   報告      福島隆一

       
      福島会長の挨拶              短木栽培用原木準備

       
     シイタケ用原木の穴あけ作業           接種用の種菌をほぐす  

       
     接種棒植菌作業棒               サンドイッチ栽培接種作業

      
    やれやれ植菌作業完了                きのこ汁うどんを食べながら


 

 昨年と同様に橋本啓一様のキノコ栽培圃場を使わせていただき勉強会を行いました。
 予定通り受付を済ませ、10時頃から作業を始めました。村田さんにチェンソーで原木を玉切って戴き、サンドイッチ栽培から始めました。ヒラタケ→白ヒラタケ→ナメコ→ヌメリスギタケの順に接種しました。お昼頃に成ったので昼食タイムにして寸胴釜で湯を沸かし、きのこ汁を温めました。量が多いのでなかなか温まらずこんな時には、だれか専属で火の番をしてくれる人が居るとありがたい等と勝手に思ってしまいます。写真にあるように橋本啓一さんが、大型トングで釜揚げの麺を配布し、セルフでキノコ汁を入れて熱々の釜揚げうどんを戴きました。橋本さんが気を利かせてノンアルコールビールを準備して戴いたので100円で1本戴きました。昨日のように冷たい大雨の天気ではなく本当に助かりました。

 午後の作業は、エノキタケ、キクラゲのサンドイッチを行い、最後にシイタケの原木栽培を行いました。30本程の原木に12㎜コンパネ用ドリルで深い孔を穿孔し、接種棒でオガクズ種菌を押し込み、発泡スチロール栓をする作業です。皆さん作業に慣れてきたので思っていたよりも短時間に作業が終わりました。接種した原木を分けた後、栽培方法について福島から説明いたしました。キノコという生き物は、特に水分を要求する生き物であることを説明し、橋本さんが準備して戴いた本伏せの写真や覆土の様子等の写真を見ながら説明を致しました。15時過ぎに、皆さんの協力で怪我人も無く今年度のキノコ栽培勉強会を終了することが出来ました。
 熊農に居た時のように、ホシアンズタケを栽培して見たり、ナラタケの駒やツキヨタケの駒を作り、コナラに接種して栽培したりしました。カラカサタケの栽培に芝に米糠をまぶして滅菌したものを地面に埋めて発生を待ったりした事も思い出します。何とも面白かったのは、コナラの短木にエビタケやツエタケ等を接種し、子実体の形成を眺め感動しました。マンネンタケの滅菌原木栽培により出てきたきのこの、あくまでも真黄色な管孔に大感激をした事等を思い出します。埼玉きのこ研究会の栽培勉強会でも感動的な勉強会が出来ると良いと考えています。


2.
きのこの種菌作り

 昨年の7月頃から約半年程自宅でハナビラタケ栽培基礎研究のまとめに専念しておりましたので、今年度のキノコ栽培勉強会に使う種菌作りをどうするか考えておりました。オートクレーブやクリーンベンチは会社の無菌室に運び込んでありましたが、オートクレーブのコンセントの作りが異なり使えない状況でありました。キノコの菌糸を成長させるためには,20度程度の温度が必要です。培養室も栽培室も稼働していない状況でありましたので最悪のシナリオは、種菌培地を大型の釜で蒸し常圧滅菌を3回行い、クリーンベンチ接種後にきのこ栽培業者の培養室をお借りして作ろうか等と考えておりました。124日に栽培室作りの業者打ち合わせに会社に顔を出した折、特許菌株を至急出して戴きたいという申し出が有りましたので、温度をコントロールできる部屋とオートクレーブが有れば半年以内に申請できることを伝えて30畳ほどの無菌室を稼働し、電源工事を至急行ってくれることに成りました。127日から出社し、会社にあった36㎝オートクレーブの掃除点検をして稼働して見たところ使えそうなので胸をなでおろす思いでした。電源工事の業者は来て戴けましたがすぐ工事が始まる訳ではないからです。129日(水)から種菌づくりを始めました。以下の表は種菌作りをまとめたものです。

オガ屑の種類と量

培地栄養分と量

850㎜ℓブロービンの詰め重量と本数

滅菌

初発PH

滅菌後の含水率 培地栄養率

ブナオガ

米ぬか

水道水

650g(手詰め)

121

6.7

63

32 8

3.21

14

38本(自動孔開け機使用)

70

 

9.1

 なお、培地の撹拌は空練り5分 本練り10分、1/30日(木)滅菌後はクリーンベンチで一晩送風冷却 1/31日(金)白ヒラタケ19本、ヒラタケ16本クリーンベンチ接種→無菌室培養 2/3(月)2回目の培地作り1/29日と同様の培地を作成し滅菌を行う。3回目の培地作り 2/4(火)1/29日と同様な内容で培地作りを行いました。第2回目、3回目の培地PHは6.9であり培地含水率は64%でした。
2/5(水)シイタケ種菌20本接種 ナメコ種菌16本接種(2回目滅菌培地36本分)
3回目の滅菌培地をクリーンベンチに入れ放冷 残りの培地9本を滅菌 2/7(金)第3回目の滅菌培地に接種 ヌメリスギタケ16本、ヒラタケ6本、ナメコ6
2/10(月)最後の残り培地16本にエノキタケを接種した。これで今年度のきのこ栽培勉強会の種菌作り終了。無菌室培養なので普通のブロービンの蓋をして培養した。ヒラタケ、白ヒラタケ、エノキタケは、2週間ほどすると全体に菌糸が蔓延してきます。ナメコ、ヌメリスギタケ、シイタケ等は3週間ほどすると菌糸が蔓延してきます。勉強会まで1か月以上あるので20℃の無菌室で培養を続けて熟成させました。220に電源工事の業者が見え、オートクレーブ、3台分と大型乾燥機など大容量の工事が完成。今年度は、種菌づくりに時間が掛かってしまったが、この程度の量の作業は機材さえ有れば2日でできる量です。3/11(水)オガ屑増量材作り。

オガ屑の種類と量

培地栄養分と量

1.1ℓブロービン(広口)

の詰め重量と本数

滅菌

初発PH

滅菌後の含水率 培地栄養率

ブナオガ

圧片麦粒粉

水道水

1㎏(手詰め)

121

5.2

60

307.5

4.53

18

26本 孔開けなし

90

 

13.0

 圧片麦粒粉とは、飼料用の圧片麦をAIHOの高速度ミキサーで3分粉砕したものであり、余ったオガクズ培地は、850㎜ℓブロービン3本に580g詰め、同様に滅菌しました。こんな七めんどくさい培地作りの内容について読んでくれる人は少ないと思いますが、混ぜる水の量がなぜこんなに多いのか?等の疑問を持つ人がおりましたら野外勉強会の時等に質問して下さい。

3.きのこ汁作り

きのこ栽培勉強会の折には、午後の作業も行うため昼食時にキノコ汁で釜揚げうどんを食べることにしています。以下はキノコ汁作りのレシュピです。

カツオ業務用圧削り節

2

ヒラタケ

1

煮干しの削り節

1

マイタケ

大型パック1

日高昆布

1

新玉葱

2

鶏ガラ

2

茄子

2

鶏モモ肉

500

シイタケ(自宅原木栽培)

1

ブナシメジ

3

日本酒

900ml

エリンギ

2

米油

50

1.鰹節、昆布、鶏ガラ・鶏肉を別々の鍋で出し汁作りから始めます。その際、にんべん、つゆの素を少し入れ薄味のだし汁を作ります。
2.野菜類を炒め、続いてキノコ類を炒めます。だし汁を入れ、醤油1ℓと残りのにんべん、つゆの素を入れ沸騰させます。短時間煮込んだら火を止めます。3/14は一日中大雨が降っていたので夜の外作業で苦戦しました。
3.朝、汁が冷えてから耐熱性の大型PP袋に汁を入れて完成です。

 

  

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